偶然の出会いから始まった
AIオペレーター開発
プラスゼロとの共同開発の経緯
実は、プラスゼロ社の小代会長とは居酒屋で偶然出会ったんですよ。ある経営者コミュニティの集まりで、たまたま小代会長と席が隣になり、「AIを使ってコールセンターを革新したい」という話をしたら、意気投合しまして。そこから数回の打ち合わせを経て、共同開発を決めました。
共同開発が始まった時期
2年ほど前ですね。2023年の7月21日に資本業務提携をリリースしたので、開発期間は約1年半ほどでした。最初の開発段階では、我々アップセルテクノロジィーズが開発の種となる「声」の提供と開発費を負担し、プラスゼロ社が技術を提供する形で進めました。一般的な業務提携よりも深い関係を築くために、資本業務提携という形を取り、プラスゼロ社には株主になってもらいました。


AEIの活用で
コールセンターを変革
AEI(Artificial Elastic Intelligence)を活用したサービスを作ろうと考えた理由
私がこの会社を設立して21年になりますが、コールセンター業界は20年前からほとんど変わっていません。業界全体が大手の寡占状態で、新たなイノベーションが生まれにくい状況でした。ただ、AIの進化とともに、この業界にも変革の波が訪れると確信し、プラスゼロ社と共にAEIを活用したサービスを開発しようと決めました。
AEIは、従来のAIと異なり、直感的な右脳型のAIと論理的な左脳型のAIを組み合わせた技術です。これにより、一般的なAIよりも高度な判断が可能になり、より自然な会話ができるようになります。
開発で苦労した点や課題
まず、日本語の処理が非常に難しい点です。英語のAI技術は発展していますが、日本語は文法が複雑で、敬語やニュアンスの違いを正確に理解するのが難しい。特に、コールセンターでは顧客ごとに異なる話し方が求められ、フォーマルな対応とカジュアルな会話のバランスを取るのに苦労しました。
また、AIの発話にリアリティを持たせるために、デジタルヒューマンの表情や口の動きの精度を向上させる必要がありました。人間の会話は単に言葉だけではなく、表情や声の抑揚が重要な要素になります。そのため、アバターの動きをより自然にするために、何度も試行錯誤を重ねました。
開発期間の短さも大きな課題でしたね。我々の事業スケジュールとプラスゼロ社の技術開発スケジュールを調整しながら、短期間で完成度の高い製品を作る必要がありました。ミーティングを頻繁に行い、問題点を一つひとつ解決しながら進めていきました。

AIオペレーターと
デジタルヒューマンの特徴
AIオペレーター「miraio」の特長
AIオペレーター「miraio」は、従来のチャットボットとは異なり、事前に決められたテキストベースのみの対応ではなく、実際の会話の流れに沿って適切な回答をすることができます。例えば、企業のトークマニュアルや過去の対応データを活用することで、企業専用のAIオペレーターを作成できます。
デジタルヒューマン「virddy」の特長
デジタルヒューマンは、実際の映像や画像と生成AIを活用したアバターを使った対話型AIで、リアルタイムで自然な表情や口の動きを再現できます。特に、日本語の発話に特化し、可能な限り日本人の口の動きや表情に合わせたリアルな対話を実現することにこだわっています。

PUTがもたらす未来と
日本発の技術へのこだわり
PUTの導入がコールセンター業界にもたらす変化
まず、現在のコールセンターの課題として、「電話がつながらない」「オペレーターの負担が大きい」といった問題があります。PUTの導入により、こうした課題を解決し、よりスムーズな顧客対応が可能になります。
PUTは、単に業務を効率化するだけではなく、人間が本来すべき仕事に集中できる環境を作るためのツールです。我々の目標は、日本発のPUTを世界に広げること。現在、AI市場は海外勢が強いですが、日本独自の技術を活かし、より高品質なサービスを提供したいと考えています。
今後の展望
まずはコールセンター業界でのPUTライセンスを活用したmiraioやvirddyの普及を進めていきます。その後、ドライブスルーや飲食店の予約、行政窓口、IT運用保守や製造業など、さまざまな業界への展開を目指します。我々が開発したPUTが、社会全体の生産性向上に貢献できるよう取り組んでいきたいですね。
